

奈良時代「古事記」に菅畳、皮畳、きぬ畳などの記述があり、また中国の随書東夷伝にも当時の日本で縁を付けた畳が用いられていたことが記録されていますが、現在の畳とはかなりかけはなれた敷物だったようです。
平安時代には畳に厚みが加えられ調度品としての置き畳が用いられていました。寝殿造りの普及により、貴族は畳を敷くようになりましたが、床張りの床の上に畳を置き、座具や寝具をかねた快適なぜいたく品だったようです。
室町時代には小さい部屋割りが行われ畳の敷き詰めがほぼ定着したとみられ、明治時代になると一般民衆の家として床の間付き6畳間、8畳間が一般化。大正時代には都市への人口の集中により住宅需要が増大し畳がより大衆化しました。
現在は形態も様々で、「縁付き一畳もの」だけでなく、「縁なし半畳」の畳も増え、フローリングに敷く置き畳の需要も増え続けています。
このように長い年月、1300年以上もの間、日本の気候風土に合った敷物として、また伝統的な和の文化として継承されてきました。現在、畳の部屋は以前に比べて急激に減っておりますが、「日本人の心のふるさと」としてこの「畳」を次世代に残していきたいものです。
い草は、大気汚染で問題になっている二酸化窒素やホルムアルデヒド等
有害物質を吸収し浄化させるため、シックハウスなどの心配がありません。
また、い草本来の香り(干し草の香り)による癒しの効果もあり、安心・安全
な自然素材といえます。
い草は、表面の皮質部と灯心部(スポンジ状)の二層構造になっていま
す。特に乾燥したい草の表面は、細かい筋と微妙な凹凸状になっており、
この部分が湿気を吸収したり吐き出したりすることで室内を快適に
保ってくれます。
スポンジ状の中には空気がたくさん含まれており、空気が熱や冷気を
快適な温度に保ち、夏涼しく冬あたたかくしてくれます。
また、畳は弾力性に優れ発育期の子供のバランス感覚を養うのに効
果的です。転んだ時も衝撃が少なく、床衝音も吸収してくれるので子
供の発育にもピッタリな自然素材なのです。